あれ、このグリッド写真…。そう、ピットロード先端です。
なんと、ドライブチェーンへの注油がなされておらずピットスタートと相成りました。
スタート完了後は、無人の荒野のごとき最後尾から追い上げて後部集団に混ざります。
途中、チェーン/スプロケットに忍び寄るトラブルの芽を、ピット作業でかわしつつ走り続けます。
今年のこのエンジン、小排気量ながら高回転まで回す設計で昨年まで使用したKX210より高いパワーを発揮します。特にファーストアンダーブリッジから、コース中最高々度にある東コース最終コーナーへの登り区間。特にV字コーナーからの強い登りでは感覚で判るほど力強く登って行きます。
比較映像をどうぞ。
エンジンのキャパシティは150ccという出場者中最小のものです。このエンジンのベースは台湾製のスクーターの物で、メーカーは以前ホンダのノックダウン生産を担っていた会社です。
ふつうのカートに慣れた身には強い違和感があり実際、排気の熱でリアプロテクションバンパーがフニャフニャになったりするためアルミ板でアテを作ってやらなければなりませんでした。
しかし一見やっかいなこの構成がこのK-TAIのような低馬力のスポーツカートで国際級のロードコースを突っ走るイベントに用いるのに以外と理にかなっているのかもと思わせる点が一つありました。それは、
これですよ、前面投影面積の小ささです。
通常の構成ではまるでフォーミュラカーのリアウィングのごとく気流中に姿をさらす排気サイレンサーが前方からは全く見えないんですね。
15馬力足らずのスポーツカートですが、長い直線ではゆうに100km/hを大きく超える速力を発揮して長い時間全力で力走する環境では効果的な車体構成といえるでしょう。
しかし導入後まだ間もなく、どんなシュチュエーションもすべてが初めて体験するものとあってこの日も走行中に同じ場所でガス欠症状が発生する現象にも見舞われていました。その状況への対処はペースを落として折り合いをつけるという、スピードを愛する者にとってはなかなか難しい我慢を重ねながら走ります。これさえなければ単走であと2秒近くタイムが向上したような気がします。
1コーナーへ思い切り飛び込んで横Gがぐーっ、と立ち上がって2コーナーのクリップをかすめてアウトへ膨らんで、さぁ加速だってアクセルをじわっと踏み込んでぎゅいーんと行きたいところと、最終ヴィクトリーコーナーで思い切りワイドなラインで左、右と振って「さぁ直線だ、ぶっ飛ばすぜ」と意気込んだところの2カ所で「ずぼぼぼぼぉ~」とガス欠近似症状。がくっ。
いや「がくっ」てだけじゃなく実際危なかったりします。
その瞬間「ぎゅいーん」と行くと思ってるのは自分たちだけじゃないです。もしもすぐ後ろに自分を抜こうと思ってる他のカートが居たらコーナリング中に追突される可能性もあり非常に危ないです。
僕自身は症状が起こる所であらかじめ燃料のリターンパイプを指で摘んで潰してコーナリングに入ってましたが効果があったのかどうか。原因は純正のキャブレターのフロートが横Gで固着して動きが悪くなりフロートボウルが空になってガス欠の症状が出たものと思われます。
しかしイベントは粛々と進行し、我々の順位はジワリ々々と上昇しています。Ⅱクラスではトップです。三台中ですが。折り合いつけておとなのレースをやっていきましょう。
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